遠藤薫 著、現代書館、2013年6月、246p、20cm
初版 カバー 帯付 カバーヤケ無し 帯ヤケ無し 本体三方ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し 保存状態良好の美本です。
冨田勲の「イーハトーヴ交響曲」などで今や一般にも広く知られるようになった「初音ミク」。この本はベンヤミンの「複製芸術」についての著作を、「21世紀の視点から読み直す」というのが主眼ですが、そのキーワードになるのが「初音ミク」なのです。
「初音ミク」は突然現れた全く新しいアイドル、ではなくかの有名な「チェス指し人形」やブラッドベリの「電子おばあさん」の血筋であること、パウル・クレーや宮澤憲治も「彼女」からインスピレーションを受けていたことを明らかにしていきます。
私はクレーの絵に谷川俊太郎が詩を書いた「クレーの天使」という本を持っているのですが、この天使と初音ミクが重ねられていたのはけっこう衝撃でした。
ちょっと小難しい所はありますが、「初音ミク現象」に興味がある人には、目ウロコの指摘満載です。「ベンヤミン」に興味がなくても、「初音ミク論」として刺激的だと思います。