ジョナサン・ノシター 著 ; 加藤雅郁 訳、作品社、2014年6月、535p、20cm
1刷 カバー 帯付 カバーヤケ無し 帯ヤケ無し 本体三方ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し 保存状態良好の美本です。
読んで単純に楽しく、かつ色々考えさせられた、幸せな読書体験ができました。
多様なワインに一つの物差しで点数をつける行為が、「グロテスク」と評されています。パーカー等の画一的な欧米メディアのワイン格付けとテロワールの対比は、本職の映画でも権力(プロデューサー)と嗜好(監督)の対立として関連づけられるなど、時折文化的な面まで話が広がり、言及されます。
なぜ著者はこれほどテロワールにこだわるのでしょう?画一的な価値観に対する半ば生理的な嫌悪感をジャーナリストの父から受け継いだのか、その父とともに世界中を回るうちに、土地に根差した生き方に対する憧憬を抱えるようになったのか(このあたりは日本語版解説でも触れられています)。
個人的にタンニンの強い樽々ワインが苦手なので、こういうアンチ・パーカー的な本を書く方がいてくれて嬉しいのですが、経済的な側面からパーカー高得点を得ようと、ミシェル・ロランに相談する作り手の気持ちもわかります。ミシェル・ロランにすれば、ラボまでつくって、おいしいワインづくりに尽力しているだけだ、と言いたいでしょうし(本書ではパーカーやロランに言及はされていますが、取材対象者としては出てきません)。