大橋康二, 坂井隆 著、新人物往来社、1994年12月、265p、20cm
初版 カバー 帯付 カバーヤケ無し 帯ヤケ無し 本体三方ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し 保存状態良好美本です。
中国景徳鎮にかわって世界の陶磁器市場を制覇した伊万里。輸出伊万里誕生の陰に台湾鄭氏政権、イスラムバンテン王国、オランダ、肥前鍋島藩らの思惑が交錯する。近世アジアの裏面史。
私は昔ドイツに住んでいたのだが、ドイツには宮殿や城のコレクションとしてイマリ焼が数多くあり、私はそれを当然九州の伊万里焼のことだと思ってきた。しかしヨーロッパでよく見られる磁器イマリ焼は伊万里焼ではなかったのだ!
ヨーロッパでよく見られるイマリ焼は古伊万里と呼ばれるもので、伊万里港から出港された輸出用磁器のことであった。日本はそれを豊臣秀吉の朝鮮出兵の時に連れ帰った朝鮮人技術者に作らせていた。折りしも中国では戦乱が続き、景徳鎮の磁器が輸出量を激減させていたことにより、日本のイマリがアジア・ヨーロッパの市場を占拠することなる。
先進国が作ったものを真似て発展させ、安価に輸出することにより市場を席巻していく、そんな近代的なの日本の姿がここにある!