安丸 良夫 著, 谷川 穣 解説、法蔵館、2021年05月、368p、文庫
安丸史学が対峙し、目指したものとは。自身の研究を回顧・省察した論考を中心に収め、その思想的格闘の軌跡を示す。歴史学徒必読の名著。
目次
はしがき
第Ⅰ部 方法への模索
一 日本マルクス主義と歴史学
二 方法規定としての思想史
1 はじめに
2 『明治精神史』の方法
3 旧い理論と新しい発見の狹間で
4 歴史叙述と歴史の方法
三 『明治精神史』の構想力
四 「民衆思想史」の立場
1 「民衆思想史」の登場
2 「通俗道徳」論批判について
3 「通俗道徳」の位相
4 方法論的展望
5 おわりに
五 思想史研究の立場―方法論的検討をかねて―
六 前近代の民衆像
1 はじめに
2 どこから始めるか
3 社会意識の変貌
4 方法的視圏拡大のために
七 民衆史の課題について―井上幸治『近代史像の模索』・林英夫『絶望的近代の民衆像』を読む―
1 はじめに
2 新たな分析次元の模索―『近代史像の模索』―
3 民衆像の拡大―『絶望的近代の民衆像』―
4 状況のなかでの歴史学
八 史料に問われて
九 文化の戦場としての民俗
第Ⅱ部 状況への発言
十 日本史研究にもっと論争を!
十一 歴史研究と現代日本との対話―「働きすぎ」社会を手がかりに―
1 日本史像の変貌
2 現代日本への眼指し
3 日本的経営のとらえ方
4 「働きすぎ」社会の歴史的文脈
5 歴史と現実の狹間で
十二 日本の近代化についての帝国主義的歴史観
1 近代化のとらえ方
2 近代化の推進主体
3 「史的唯物論」=経済決定論の批判
十三 反動イデオロギーの現段階―歴史観を中心に―
1 イデオロギー闘争と歴史意識
2 近代化論の役割
3 あらたな国家主義の論理
十四 近世思想史研究と教科書裁判―原告側補佐人として出廷して―
1 検定という砦
2 「検定史観」について
解説 『〈方法〉としての思想史』を読む、それぞれの意味
(谷川 穣)
納入までに3週間ほどかかります。