西洞院時慶 時慶記研究会、臨川書店、2005年、A5判
豊臣時代から徳川初期に生きた公家・西洞院時慶(にしのとういんときよし/天文21~寛永16)の 自筆日記を校訂、翻刻。
天正15年(1587)から寛永16年(1639)までのうち約17年分が残されている。
医者であり、有名な歌人でもあった時慶の日常生活や、社交場としての禁裏御番の様子、禁裏や本願寺、大坂城 、公家、連歌師と幅広い交際ぶりがつぶさに伺え、内容も政治・経済・社会・宗教・文芸・身辺雑記や気候・天変地異(地震)の記録と多岐にわたる。
また、ひな祭りや阿国歌舞伎の最古記録としても名高く、動乱の時代を様々な角度から知ることのできる好資料である。
翻刻にあたっては宗教法人本願寺および天理大学附属天理図書館所蔵の自筆原本を底本に使用、これにより内閣文庫本での書写の不備が大きく改善される。
原本の剥落・落丁は内閣文庫本をもって補った。
主要な記事、注目される用語などを頭註として掲げ、また人名には傍注を付し利用者の便を図った。
各巻末には詳細な人名索引を付す。