平山郁夫展実行委員会、平成11年、128p、28 x 22cm
世界の文化遺跡を描く展によせて
一九九六年(平成八)、日本が第二次大戦後に、初の国際機関であるユネスコに加盟して、四十五周年を迎えま
した。文化、教育、科学の各部門から、世界の平和を願っての機構です。
これまで、まさに文化遺産として人類の宝物である、幾つかの遺跡を、ユネスコの強力な主導のもとに救って
来ました。現在では、アメリカ、イギリス、シンガポールのユネスコ脱退で、ユネスコの運営が経済的に弱体化
しております。
東西の冷戦構造が崩れたあと、世界が平和になると、誰もが希望したものです。が、現実には、各地で民族紛
争や、宗教紛争が相ついで起っております。 局地的な戦闘ですが、多くの人の血が流され、貴重な文化遺跡や、
文化財が破壊されています。また、南北問題による貧困から文化遺跡の盗掘が行われております。
ユネスコでは世界の貴重な、人類の共通財産を、世界遺産リストに登録して、保護し後世に伝えようとしてい
ます。我が国も、法隆寺、姫路城、白神山地、高山合掌造り、京都の寺院、屋久島神代杉が登録されています。
一九九六年の十二月には、広島原爆ドームと、厳島神社の世界遺産登録が決定されました。
私はこれまで、東西文化交流のシルクロードを何十回と訪ねて参りました。その時に描いた一部を、開催地各
新聞社、文化財保護振興財団共催により展覧会を開催することになりました。
関係者の皆様に大変お世話になりましたが、これまで提唱して参りました、文化財の赤十字運動のため、ご理
解とご支援を賜わりますよう、お願い申し上げます。
平山郁夫
カバー (カバー少ヤケ)