¥11,000
新宮 学
、汲古書院
、2017
、450p
、A5判
「都市の経済」を照射した著者30年来の論考を集大成。汲古叢書142
【序章より】(抜粋)
本書は、著者が1980年以来学術雑誌等に発表してきた明清時代の都市と商業に関する論考を収録した論文集である。戦後日本の明清社会経済史研究は、周知の如く農村社会や商人研究の分野ですでに多くの研究蓄積を有しているが、都市の商業や社会に焦点を当てた研究は意外に少ない。それに止まらず、現今では社会経済史自体への関心の退潮も著しい。これに対し、中国では80年代末「改革・対外開放」路線への転換後に高まった商業や都市社会についての関心は、現在も衰えることなく持続している。近年では、かつて農村社会研究一辺倒の中で著者が細々と取り組んだテーマを新たに進展させる論考が次々と発表されるようになった。こうした新たな研究成果の発表に後押しされ、あらためてこれまでの都市と商業に関わる諸論考を一書にまとめて公刊することにした次第である。本書への収録に際しては、極力初出時のままとして、最低限の表記の統一に留めた。ただ歳月の経過を考慮して、各章の末尾に〔補記〕を新たに加筆し、拙論発表以後の新たな研究の展開についての簡単な紹介を試みることにした。今後の研究深化の一助となれば幸いである。
納入までに1週間ほどかかります。