和歌山県立紀伊風土記の丘 編ほか、和歌山県立紀伊風土記の丘、2018-1、25p、30cm
和歌山県立紀伊風土記の丘が本年度に開催いたします冬
期企画展・特別陳列は、 独立行政法人国立文化財機構 東京
国立博物館による平成 29 年度考古資料相互活用促進事業と
提携して実施するものです。
東京国立博物館には、 明治7年から昭和15年に和歌山
県内の遺跡から出土した考古資料が数多く収蔵されています。
このうち、古墳から出土した土器や銅鏡、 装身具などの優品
の数々は、本県における古墳時代を理解する上で欠くことの
できない重要な資料であり、このたび、 29 点の出土品が里帰
りすることとなりました。
冬期企画展では、著名な和歌山市大同寺遺跡出土陶質土
器が36年ぶりに揃って里帰りすることにあわせて、形や装飾
に特徴のある古墳時代の“うつわ ” を紹介します。
また、特別陳列では、115年ぶりの里帰りを果たした和歌
山市岩橋千塚古墳群出土須恵器をはじめとする紀伊の古墳出
土品を、 他機関が所蔵する関連資料とあわせて紹介いたします。
古墳時代後期の6世紀頃、古墳における葬送儀礼で使わ
れた土器の中には、人物や動物をかたどった小像や小さな壺
などで飾られた、
装飾付須恵器と呼ばれる特殊な形をした土
器があります。この土器は岩橋千塚古墳群をはじめ県内の古
墳からも出土しており 首長が儀礼で用いる特別な“うつわ ”
として作られたもので、飾られた小像は、特定の情景や物語
を表現している可能性があります。一方、 紀ノ川下流域の5世
紀前半代の遺跡からは、 朝鮮半島産の陶質土器の可能性が
ある 「家形態」 や、 美しい装飾をもつ須恵器 「楠見式土器
などが出土し、 これら飾られた “うつわ ” は、渡来人がもたら
した須恵器生産などの新来の技術を掌握した古墳時代中期
の首長の動向を雄弁に物語ってくれます。 本企画展では、こ
れら魅力的な“うつわ”に隠されたメッセージを読み解いて、
紀伊の古墳時代史の実像に迫りたいと思います。
最後になりましたが、 本企画展及び特別陳列の開催にあた
ご協力を賜りました各位に厚く御礼申し上げます。
平成30年1月