毛沢東 著 ; 松村一人, 竹内実 訳、岩波書店、昭和48年7月、109p、15cm
21刷 帯付 両表紙と背ヤケ無し 帯ヤケ無し本体天と小口少経年ヤケ 地ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し 保存状態良好です。
最初は「なんか”空想から科学へ”の焼き直しじゃないか」と思っていたのですが、エンゲルスやレーニンの理論を深化させ、より的確に発達させたものであると感じた。
ただ彼は、国際政治立場上の関係なのか、スターリンを礼賛し、トロツキーを「間違った思想家」としている。しかし私は過去にトロツキーの「永続革命論」を読んだことがあるが、正直この「実践論・矛盾論」を読むかぎりでは、毛沢東の思想はトロツキー主義に近いと感じた。読めば分かるが、「理論に固執し続けることなく、状況を客観的に分析し、最善の策を講ずることが重要」なのである。トロツキーは「スターリンは古典的な二段階革命を国民党に押し付けようとしているが、中国ではブルジョワジーが革命を起こすことはない。共産党率いるプロレタリアートが革命を起こすことができる。」と説いた。どこにでも二段階革命論を押し付けるスターリンが、「客観的に分析」できているのか、疑問に思った。
実際、毛沢東は中華人民共和国を成立させているので、ある意味でトロツキーの考えは当たった。