バートランド・ラッセル著 ; 片桐ユズル訳、みすず書房、昭和38年11月、208p、20cm
4刷 函付 函背少ヤケ 函両面ヤケ無し 本体三方ヤケ』無し 線引き無し 書き込み無し (第2部」「幸福をこたらすもの」のさいすうう「17,幸福なひと」に1ページに、2ヶ所万年筆で線引きあります。) 保存状態良好です。
この本には、幸福の定義は書かれていません。
幸福論というより、幸福の「要素」論で、処世術のノウハウ本です。
不幸の原因となる要素として、競争・退屈・疲れ・嫉妬・罪の意識・被害妄想・世間体を説きます。
後半は幸福の要素として熱意・愛情・家族・仕事・努力を説きます。
現代でも通じるアフォリズムは多く含まれて納得の文章も多くあります。
ラッセルが、1930年に著した本です。
さすがに知識人の最高峰にあった人で、当時の評判だった、あるいは権威ある本から多くを引用しています。
ほとんど知らない人です。
時代を感じ違和感が大きいのはラッセルの上から目線です。
白人文明社会の頂点に位置するイギリス人としてのエリート意識、自負心、自尊心にあふれています。
未開発国、それらの人種に対する優越感が漂チラホラします。
文明国とそうでない国の差は、程度ではなく質的に違うと言わんばかりです。
平気でニグロという言葉があり、私でもドキッとします。
しっくりこない本でした。