First French Edition. 8vo, 262pp, with a folded map, original wrappers
"連合国の和平条件"であるヴェルサイユ条約の全文を条約正文のフランス語にてドイツで発行された書籍です。発行元の"国際連盟のためのドイツ連合"とは、第一次世界大戦時に「勝利の講和」ではなく、「相互了解による講和」を目指していた議員達を中心として、1918年にドイツ外務省の後援のもとにベルリンで結成された団体でした。
中心となった人物としては、大戦中からアメリカ大統領ウィルソンによる国際連盟の構想を支持し、戦後は財務大臣となったマティアス・エルツベルガー(彼は休戦協定に著名した「11月の犯罪者」として暗殺される)、国際法学者ヴァルター・シュッキング、初代大統領フリードリヒ・エーベルトなど、後にドイツ国制でヴァイマル連合を形成する政党の議員から構成されていました。活動の目的は、ドイツの国際連盟への加盟、およびドイツでの国際連盟思想の普及に努めていましたが、国際連盟発足の前提であったヴェルサイユ条約自体には反対の立場でした。
本書は条約正文のフランス語版のほかに、ドイツ語訳版の発行も確認されています。条約の正文であるフランス語版は当時の中等教育以上の教育を受けた教養市民向けに、ドイツ語訳版は民衆向けに発行され、ヴェルサイユ条約に対する全国民的な議論を活性化させる意図があったものと推測されます。
参考文献:
牧野雅彦『ヴェルサイユ条約マックス・ウェーバーとドイツの講和』中央公論社 2013年
Original blue cloth binding, vol.1: xxxi, 463pp, vol.2: 550pp, vol.3: 633pp, vol.4: 698pp, vol.5: 543pp, title lettered in gilt to spine, with original dust jacket
Original blue cloth binding, vol.1: xxxi, 463pp, vol.2: 550pp, vol.3: 633pp, vol.4: 698pp, vol.5: 543pp, title lettered in gilt to spine, with original dust jacket
First edition. 8vo, 618pp, black cloth, 3 color fold-out maps, many photos of Japanese people, library stamp on end paper
1942年2月19日に軍事地域からの立ち退き命令の権限を陸軍に与えた大統領令9066号を根拠として、西部防衛司令部及びアメリカ合衆国第四軍の司令官であったジョン L. デヴィット(John L. DeWitt)指揮下で行われたアメリカ西海岸での日系人の強制収容に関する包括的な資料です。
1943年に初版が刊行された本書は、パールハーバーの衝撃により、今回の対応が国家安全保障上の懸念やスパイ及び破壊化工作の予防を求める世論の圧力の下で、日系人一括の立ち退きに至った経緯とその根拠を、多くの統計、図表、写真資料を豊富なデータを基にして報告しています。
本書の前文において、陸軍長官であったヘンリー・スティムソンは、軍事的措置の為にアメリカへの忠誠心の強さや有無にかかわらず一律の対応をせざるを得なかったことを遺憾としつつ、「我が国の日系住民たちが租界命令に応じた態度には大いに称賛に値する」と述べています。
これは皮肉ではなく、実際に日系人組織が今回のアメリカ当局の方針に対して自主的に協力路線を取ったことを根拠として、アメリカ市民権を有する日系人の憲法上の権利を侵害するという非常措置でありながらも、今回の立ち退き収容が一時的滞在または非常事態での避難でありかつ人道的に行われた措置であることを示す目的があったものと思われます。
First edition. 8vo, 618pp, black cloth, 3 color fold-out maps, many photos of Japanese people, library stamp on end paper
1942年2月19日に軍事地域からの立ち退き命令の権限を陸軍に与えた大統領令9066号を根拠として、西部防衛司令部及びアメリカ合衆国第四軍の司令官であったジョン L. デヴィット(John L. DeWitt)指揮下で行われたアメリカ西海岸での日系人の強制収容に関する包括的な資料です。
1943年に初版が刊行された本書は、パールハーバーの衝撃により、今回の対応が国家安全保障上の懸念やスパイ及び破壊化工作の予防を求める世論の圧力の下で、日系人一括の立ち退きに至った経緯とその根拠を、多くの統計、図表、写真資料を豊富なデータを基にして報告しています。
本書の前文において、陸軍長官であったヘンリー・スティムソンは、軍事的措置の為にアメリカへの忠誠心の強さや有無にかかわらず一律の対応をせざるを得なかったことを遺憾としつつ、「我が国の日系住民たちが租界命令に応じた態度には大いに称賛に値する」と述べています。
これは皮肉ではなく、実際に日系人組織が今回のアメリカ当局の方針に対して自主的に協力路線を取ったことを根拠として、アメリカ市民権を有する日系人の憲法上の権利を侵害するという非常措置でありながらも、今回の立ち退き収容が一時的滞在または非常事態での避難でありかつ人道的に行われた措置であることを示す目的があったものと思われます。
参考文献
油井大三郎『日系アメリカ人強制収容からの<帰還>』岩波書店 2025年