クリスチャン・メルラン [著] ; 藤本優子, 山田浩之訳、みすず書房、2020年4月、541, 5・・・
2刷 カバー付 カバーヤケ無し 本体三方ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し 保存状態良好です。
フランス、ドイツを中心とした有名・無名オーケストラと楽団員、指揮者のあれこれが実名入りエピソードで語られる。楽器セクションごとの記述も単なる楽器紹介にとどまらず、著名な演奏者の挿話が豊富に盛り込まれる。
なにしろ膨大な固有名詞の情報にあふれており、大部で重量のある製本となっているが、独仏(これに英米伊などが加わる)の奏者名の列記は日本の一般の音楽好きにとっては冗長で、読み物としては「抄訳」でも十分だったかもしれない。
それにしても、フランスのオーケストラの特徴(私語が多い、個人主義、準備不足、指揮者との緊張感ある距離感など)には驚きつつも苦笑せざるをえない。来日した指揮者が日本の各楽団について「準備が完璧で統率がとれ真摯に取り組み反応が良い」と一様に高く評価するのも、こうした彼我の差異を思えばなるほどとうなずける。
(なお、第2刷からはあからさまな誤訳は修正されているようです。ご安心を)