サージェント、1697
First Edition. 8vo, [lii], 460, [24]pp, contemporary panelled calf
著者のサージェント(John Sergeant, 1623-1707?)は、イギリスのローマ・カトリック司祭で、神学者。論争的な姿勢で知られ、本書を含め多くの著作を残しました。本書は、彼の三大主著とされるもののうちの二番目の作品で、前著『科学のための方法』(The Method to Science, 1696)を拡張しつつ、ロックの人間悟性論を痛烈に批判しています。アリストテレス哲学に基礎を置きつつ、道徳の絶対確実性を主張しました。妥協を排したあまりにも論争的な姿勢であったことから同時代人からも芳しい評価を得ることができず、思想史に研究おいても現在ほとんど知られていませんが、バークリーの実質的な先行者との再評価や、ロックが本書を所蔵し、自身の詳細な注釈を書き込んでいたことが明らかになるなど、17世紀思想史研究における知られざる重要書といえます。