豊岡市立郷土資料館 編、豊岡市教育委員会、1981-3、36p 図版15p、26cm
はじめに
近年、いわゆる開発事業に伴う埋蔵文化財の調査および記録の作成、そして破
のを取りあげてみましても、 豊岡中核工業団地の造成に先だって行なわれた立石
壊という図式が、 本市においてもいわば日常化してきております。ごく最近のも
森尾地区における調査、 不燃物処理場の造成に伴う付近の開発事業とのかかわり
で調査を余儀なくされた亀ヶ崎遺跡群など、 主として大型の公共事業に関連して
なされる発掘調査が増加してきております。 また民間の事業で埋蔵文化財が知ら
ぬ間に破壊されたり、 破壊の危機に直面する事態が多くなってきました。
こうした傾向のなかで行なわれた今回の高屋古窯跡の調査は、豊岡で営まれて
いたすぐれた磁器生産の実態を知り、 古窯跡の保護法を考えていくと目的の
もとになされた画期的なもので、いわば本市において初めての学術目的にそった
調査ということになります。
調査は、地元の熱心な研究者の建議を受け、長い間本窯跡を大切にしてこられ
た地主本井家の了解を得て、 昭和53年度国庫補助事業として豊岡市教育委員会
が実施し、また本書は同じく55年度事業として市教育委員会が作成したものです
調査の成果および残された問題点などについては、以下本書に詳細に記した通
りであります。 本書が、 市民各位の文化財に対する理解を深めていただくのに
立つとともに、 学術資料として広く活用されるよう願うものです。
最後に、調査にあたって終始ご指導、ご助言を賜わった先学諸賢、関係機関
調査の機会を与えて下さった地主本井昭男氏(現当主)に対して厚く御礼申し
げます。
昭和56年 3月31日
豊岡市教育委員会
少ヤケ グラシン紙包装にてお届け致します。