岡嶋敬治 著 ; 谷口虎年 改訂、金原 [ほか]、1959 17版、444p、27cm
総 論
神経学に於て研究する神経系統は, 脳脊髄神経系と自律神経系とに分かれ、 之等は夫と更に、中
枢部と末梢部とに分かれる。
脳脊髄神経系又は動物性神経系は, 所謂動物性作用, 即ち横紋筋の運動, 感覚及び精神作用等の成
立に与かり、自律神経系又は植物性神経系は, 所謂植物性作用 即ち呼吸、消化,体液循環,吸収,分
等を司る。 しかし、この両系統は,中枢部に於ても、 末梢部に於ても、互に密接なる関係を有し、
空間的にも, 一部複雑に混合する。
中枢神経系は、 頭蓋腔内に存する脳髄と、脊椎管内に存する脊髄とから成り、 脳脊髄性作用及び
植物性作用を営む諸種の中枢を含む。
末梢神経系は,中枢神経系と、各種の体部並に器関, 例えば筋、内臓, 腺等とを連結し、興奮を
中枢から末梢に, またその逆の方向に伝導する。故に末梢神経を生理学的に、刺戟伝導の方向に従っ
て, 遠心性神経と, 求心とに区別する。 神経は, 外界から来る外的刺戟のみならず、 また体内
に起る内的刺戟をも伝導する。 また神経は、その機能に従って、運動性神経、知覚性神経,分泌性神
経等に区別される。
カバー 函(少ヤケ) 蔵書印