ウィリアム・H.マクニール 著 ; 増田義郎, 佐々木昭夫 訳、中央公論新社、457p、16cm
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ウィリアム・H・マクニールの『世界史』は、単なる年代記ではなく、人類史を壮大なスケールで捉え、文明の交流と相互作用を重視した画期的な歴史書です。その面白さは、以下の点に集約されます。
1. 文明史観によるダイナミックな叙述:
個々の国家や出来事にとどまらず、文明間の交流、技術革新、疫病、環境変動など、人類史を動かしてきた大きな力に焦点を当てています。
「文明の接触」という概念を軸に、ユーラシア大陸における文明の相互作用をダイナミックに描き出しています。
2. 斬新な視点と豊かな洞察:
歴史を「ミクロ寄生」(病原菌)と「マクロ寄生」(国家)の相互作用として捉えるなど、斬新な視点から歴史を分析しています。
歴史的事象の背後にある構造やパターンを明らかにし、現代社会にも通じる深い洞察を与えてくれます。
3. 現代世界への深い理解:
グローバル化が進む現代世界において、異なる文明間の相互作用を理解するための重要な視点を提供してくれます。
過去の歴史から学び、未来を考えるための示唆に富んだ内容となっています。
マクニールの『世界史』は、歴史に新たな光を当て、読者に知的興奮と深い洞察を与えてくれる、まさに歴史書の金字塔と言えるでしょう。
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