奈良県立橿原考古学研究所附属博物館、1986、104p、26cm
目次
開催にあたって
解説…
図版…
主要遺跡解説
出土地名表一覧
参考文献・
出品目録
出品協力者・資料提供者一覧
開催にあたって
弥生時代中期 (約2,000年前) 頃から、 弥生人は、 土器に人物、 家、 動物、
舟などの絵や記号を描きはじめます。
昭和12年、 末永雅雄先生を主任とした奈良県史跡調査会と京都大学文学部考
古学研究室によって、唐古池 (奈良県磯城郡田原本町) が発掘調査された際、
出土した多数の 「弥生式土器」 の中に絵が描かれた土器片が含まれていました。
その後、唐古・鍵遺跡をはじめ、各地の弥生遺跡からも同様の絵や記号が描か
れた土器が検出され、それらが銅鐸に描かれた絵の考察、 あるいは、 弥生人の
生活復元の貴重な研究資料となっています。 原始宗教の在り方や精神文化を知
る手掛かりでもあります。
画題や表現方法からは、文字誕生以前の人間の思考を抽象表現した原文字的
なもの、あるいは出来事や記念的事業の記録、 また、 農耕生活にともなう予祝
や祈願の呪術的表現などさまざまな思想を汲みとることができるのです。
今春開催しました 「弥生人の四季」に引き続き、唐古・鍵遺跡調査50周年を
記念した本展は、弥生人が、私たちに伝えるメッセージの媒介である絵画と記
号を集め、土器の分布、画題、表現技法などから弥生人の生活や精神世界を探
る目的で企画いたしました。
多くの方々に、本展から弥生人の生活の一端なりともご理解願えれば幸いで
す。
本展の開催にあたり、貴重な資料の出品を御快諾いただきました所蔵者各位、
ご協力をいただいた関係機関に対し厚くお礼申しあげます。
昭和61年10月14日
奈良県立橿原考古学研究所附属博物館
館長岡 田 謙治良