江藤淳 著、文芸春秋、平成3年12月、265p、20cm
初版 カバー 帯付 カバーヤケ無し 帯ヤケ無し 本体三方ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し 保存状態良好です。
2004年10月19日に日本でレビュー済み
平成2年から3年、湾岸危機から戦争にかけて日本の総理であった海部首相と国を代表して行ったその世間知らずの外交について厳しく指摘している。しかし、その首相に的確な指針を考えさせる有効な手立てを持たなかった外務官僚の無策こそもっと指摘されるべきものだとも思う。
10数年経て現在の総理は全くその失策に学ぶことなく(間違って理解し)、父親のブッシュにブッシュホン一本で国民の国税を毟りとられ感謝もされなかった反省か、息子のブッシュに擦り寄って自ら進んで経験も装備も貧弱な陸上自衛隊・航空自衛隊を送り出すという、重要かつ外交の切り札を深く先のことも考えず(止める時期に歯止めもつけず垂れ流しにされる国民の血税に、得るものは何なのか)いとも簡単に切ってしまった。
アメリカ国務省の一部署とも思える(アーミテイジの言うがままの)外務省の官僚たちと国会議員は、明治の政治家・外交家が第一次大戦時に日英同盟を背景にインドに日本陸軍の派遣を求められたときにどう対処したのか(P115)歴史を学ぶべきだし、独立国としての矜持を持った日本の骨太の方針を打ち出さなければ、国民の嫌米思想はますます深まるだろう(相互に重要な関係を作るべきはずが)。
やはり、いまだに政治と官僚の世界で46年憲法の拘束を通じ米国の巧妙な日本隷属・占領は続いている(そのほうが自分で物事を考えなくて楽なんだろうなその世界に身を置いている人には。しかし日本は腐っていく・・)。