モーリス・ブランショ 著 ; 粟津則雄 訳、現代思潮社、1968年9月、424p、22cm
初版 函付 函背中ほどと背左角上下にキレ・イタミあり ハコヤケ無し 本体背少焼け 本体三方ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し 函の背イタミありますが保存状態良好の並本です。 (タバコ臭)
「文学への死亡通知」とまで言われた『文学空間』(現代思潮社)と並ぶ、ブランショの代表作だと認識しています。それが文庫となってこの価格で手に入るのは、やはり慶事といっていいでしょう。創作であれ批評であれ、とりあえず文学を志す者にとっての「必読の書」には違いないけれど、ただ、この本と『文学空間』とを熟読玩味し、その内容をほぼ自家薬籠中のものとしたうえで、なおも「文学」に立ち向かっていくことは、よほど頑健な精神と知性の持ち主か、もしくはよほど能天気なひとにしかできることではありません。そういう意味では「恐るべき書物」です。
ここにある「目次」は抜粋なので、より詳しく書いておきましょう。
Ⅰ セイレーンの歌 1 想像的なものとの出会い 2 プルーストの経験 ①エクリチュールの秘密 ②おどろくべき忍耐
Ⅱ 文学的な問い 1「幸福に世を終えられそうもない」 2 アルトー 3 ルソー 4 ジューベールと空間 ①書物なき著者、著作なき作家 ②最初のマラルメ的場合 5クローデルと無限 6予言の言葉 7ゴーレムの秘密 8 文学的無限、アレフ 9 デーモンの挫折、天職
Ⅲ 未来なき芸術について 1 極限において 2 ブロッホ ①『夢遊の人々』・論理的めまい ②『ウェルギリウスの死』・統一性の探究 3 ねじの廻転 4ムージル ①無関心の情熱 ②「別な生の状態」の経験 5 対話の苦悩 6 ロマネスクな明るみ 7 H・H ①自己自身の探究 ②演技の演技 8 日記と物語 9 物語とスキャンダル
Ⅳ 文学はどこへ行くか 1 文学の消滅 2 ゼロ地点の探究 3 「今どこに? 今だれが?」 4 最後の作家の死 5 来るべき書物 ①コノ書物ヲ見ヨ ②文学空間の新たなる理解 6 権力と栄光