金子國義 著・装幀、河出書房新社、2015年2月、254p 図版6枚、20cm
初版 カバー 帯付 カバーヤケ無し 帯ヤケ無し 本体三方ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し 保存状態良好です。
1936年生まれ。画家、装幀家、舞台美術家、デザイナー。歌舞伎舞台美術家の長坂元弘に師事。澁澤龍彦の依頼で『O嬢の物語』の挿絵を手がけたのち、67年「花咲く乙女たち」で画壇デビュー。著書に、『金子國義の世界』など。
初の自伝を出版した翌月に世を去るとは。
鏡に始まって自分の部屋を飾るオブジェを紹介していく冒頭の構成が露骨に示すように、自覚したナルシストによる麗しき自伝である。一貫して自信に満ちて語られる「趣味の良さ」の連続は、ファンでないと嫌気がさすかもしれない。私にはその迷いのない「美学」がちょっと受け付けなかった。
生まれも育ちもよく、友人と環境に恵まれ、幸せであふれた人生。苦しみの見えない自伝というのがあまりおもしろく読めないのは単なる妬みだろうか?