Huang, Chün-chieh(著)藤井 倫明(訳)黄 俊傑(著)、ぺりかん社、2010年2月、・・・
中・日・韓の儒者による経典解釈の分析を通して、学術領域としての「東アジア儒学」から「儒学共同体」の思想史的類似性と文化的特殊性を考察する。
●目次●
序:東アジア儒学の経典とその解釈
第一章 「東アジア儒学」はいかにして可能か
一、はじめに
二、方法論的個体論
三、思想発展の結果としての「東アジア儒学」
四、思想発展の過程としての「東アジア儒学」
五、「東アジア儒学」研究の新たな課題
六、結語
第二章 経典解釈の伝統と二つの葛藤
一、はじめに
二、経典中の普遍的価値と解釈者の時空特性との間の葛藤:性質、原因、およびその表れ
三、解釈者の「文化的アイデンティティ」と「政治的アイデンティティ」の葛藤
四、結語
第三章 遺民儒者の二つのジレンマ
一、はじめに
二、第一のジレンマ:「仕」か「隠」か
三、第二のジレンマ:「文化的アイデンティティ」と「政治的アイデンティティ」の融合と亀裂
四、結語
第四章 儒家思想伝統における四種の「身体」:類型とテーマ
一、はじめに
二、政治権力の現れの場としての身体
三、社会規範の現れの場としての身体
四、精神修養の現れの場としての身体
五、隠喩としての身体
六、結語:東アジア身体論の三つの命題
第五章 朝鮮儒者丁茶山の『論語』解釈
一、はじめに
二、丁茶山の「克己復礼」章の解釈
三、丁茶山の解釈の踏襲と刷新
四、結語
第六章 朝鮮儒者鄭斉斗の孟子解釈
一、はじめに
二、「知言」「養気」「集義」:鄭斉斗の孟学解釈
三、鄭斉斗の孟子学解釈の思想史的位置:東アジア儒学の視野
四、結語
第七章 近世儒者と「公」「私」:孟子の桃応の対話を起点として
一、はじめに
二、中国古代思想における「公」「私」概念の発展
三、「公」「私」領域の関係についての見方:『孟子』尽心上・第三十五条の解釈を中心に
四、結語
第八章 経典理解の手順とその方法論
一、はじめに
二、体験としての解経手順
三、東アジア儒家の経典解釈学の方法論上の問題
四、結語
訳者あとがき
人名索引
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