泉 茂,伊丹市立美術館、伊丹市立美術館、1996、91p、27cm
目次
あいさつ
泉茂展に寄せて・・大河内菊雄
絵画
デッサン
版画
出品リスト
年譜
作家になるということ 泉茂
ごあいさつ
伊丹市立美術館では、戦後関西現代美術界の中心的存在でも
あった泉 茂さんの展覧会を開催します。
泉茂さんは、 1922年大阪市に生まれ、 大阪市立工芸学校を経
て百貨店勤務の傍ら、次第に絵画の世界へと入っていきます。
1951年には、 瑛九らと 「デモクラート美術家協会」を結成し、
版画作品を中心に制作活動を展開。 1957年にはカラーリトグラ
フ 「闘鶏」で第1回東京国際版画ビエンナーレ展の新人賞を受賞
します。 1959年から1968年にかけてニューヨーク、パリに滞在、
かの地での絵画の造型性や構成、 形態、 マチエールなどに触れ
て大いに触発されます。
また、 「絵を描くことではなく、 絵を造る方法を考えること。
これが、作品に対するぼくの姿勢である。 それも出来るだけ簡
単なシステムで、 複雑な効果を発揮するメソードが望ましい」
(「架空通信』 第1号 「無題」 より。 1979年3月。) と語るように帰
国後は円や三角、四角といった幾何学的形態を扱った作品が多
く制作されます。
泉茂さんの画業を振り返ってみると、 「形態を創り出すのは、
常に発見であって探究ではない」 と作家自身が言い切るように
約10年周期に絵のスタイルが変わり、その軌跡には大変興味深
いものがあります。
1995年5月、惜しくも泉茂さんは画業半ばに亡くなられました。
今回の展覧会では、泉茂さんの1950年代の作品から1990年代
にわたる油彩、 アクリル、 デッサン、 版画作品約90点で構成し、
泉茂さんの知的でしなやかな画面をお楽しみ頂きます。
本展開催にあたり、貴重な作品をご出品賜り、ご協力をいた
だいた泉 照子夫人ならびに関係各位のご協力に心から厚くお
礼申しあげます。
1996年1月
伊丹市立美術館
会場: 1996年1月4日(木)-2月12日(月) 伊丹市立美術館 にて開催 良好