佐藤新一・洪蘭、臺灣總督府中央研究所衞生部 / 梁山泊出版部、2023(元版 昭15)
菊判 58頁 オンデマンド版 ペーパーバック 新竹州は台湾総督府時代の行政区で、現在の中華民国新竹市。 ここで大正12年(1923)に犬の伝染病が流行し、罹病400・死亡300匹を数える。 当時、犬は現地住民の狩猟のための家畜として貴重だったことから、防疫上も研究上も重要視され、総督府の命により中央研究所衛生部(部長堀内博士)の著者らが臨床所見・病理解剖・細菌学的検索を実施して梗概をまとめたのが本報告書。 流行状況から「犬のインフルエンザ」とするが、特異の神経症状もあり狂犬病をも疑わしめるなど、「更に考究を要す」としている。 台湾統治の民生安定上無視できない問題であったことが窺われる。