東洲しゃらくさし 風のような寛政の改革が過ぎ去り、江戸の町に活気が戻ったころ、鳴物入りで土方から呼ばれた人気歌舞妓作家・並木五兵衛。彼の江戸下りに先立ち、一人の男が逃げ出すように大坂の町を後にした…。東西の風習・文化の違い、芝居という嘘の世界の内実、メディアが生み出す虚実の狭間でおのれにしかできないものを追い求めた男たちの苦悩と歓喜を描ききった、感動の新・時代小説。東西歌舞妓の世界を克明に描きながら、謎の天才絵師東洲斎写楽の姿をあぶり出す。
「作家と楽しむ古典 好色一代男 曾根崎心中 菅原伝授手習鑑 仮名手本忠臣蔵 春色梅児誉美」
向井潤吉 日本のふるさと、民家のある風景 <国宝倶楽部コレクション>