河﨑豊/藤永伸 編・訳 上田真啓/藤本有美/堀田和義/八木綾子/山崎守一 訳、国書刊行会、2022/・・・
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古代インドで仏教と同時期に同地域で誕生し、いまなおインドで続くジャイナ教。初期仏典にも多くの記録が残り、祖師マハーヴィーラは六師外道のひとりニガンタ・ナータプッタとされ、主な教義と死亡記事も伝わる。しかも、ジャイナ教聖典と同一の詩句が仏典中に多く見られ、仏教の教えとして伝わっている。
ジャイナ教徒はインド総人口のわずか0.4%ではあるが、19世紀にはインド民族資本の大部分を占めていたといわれ、マハートマ・ガーンディーの非暴力・菜食主義に影響を与え、南方熊楠はその徹底した不殺生を仏教よりも高く評価した。
本書には、ジャイナ教の二大分派である白衣派の聖典から、【第Ⅰ篇】には古層文献を、【第Ⅱ篇】には出家者と在家者との戒律文献を、【第Ⅲ篇】には初期仏典と共通する伝承から作られたパエーシ王の物語を、【第Ⅳ篇】にはジャイナ教の祖師マハーヴィーラの伝記を収めた。
目次
解説
第I篇 最古の様相
第1章『アーヤーランガ』第一篇
第2章『スーヤガダンガ』第一篇(抄)
第3章『ウッタラッジャーヤー』(抄)
第II篇 出家者の生活規定と在家者の宗教生活
第4章『ダサヴェーヤーリヤ』
第5章『ウヴァーサガダサーオー』第一章
第III篇 仏典との類似経典
第6章『ラーヤパセーニヤ経』(抄)――パエーシ王物語
第IV篇 祖師マハーヴィーラの生涯
第7章『ジナチャリヤ』(抄)――誕生から入滅まで
第8章『ヴィヤーハパンナッティ』第九篇第三三章
――最初の母との邂逅と教団の分裂
訳注
解題