モーリス・ブランショ 著 ; 粟津則雄, 出口裕弘 訳、現代思潮社、1988年、421p、22cm
新装版2版 カバー付 カバー背少点シミと少ヤケ カバー両面ヤケ無し 本体天と小口少点シミ 本体三方ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し 保存状態良好の並本です。
この本はこの手のものの例にもれず非常に難解です。ただ、難解とはいえ、ブランショがもつ問題意識は、文学や芸術に関心をもつ一部の人ならば共有しやすいはずです。
ブランショは「文学の存在意義とは何か」という問いに人生を賭けた人です。「文学」自体の存在感が希薄となっている昨今においては、彼の問いかけや思考を丁寧に辿っていくことは、決して無駄なことでないように思います。
日本では、フランス現代思想に関する関心度は高く(大抵が上辺だけの関心でしょうが)、デリダ、ドゥルーズ、サルトルなどに関する書籍は多数出版されている一方で、このブランショに対する注目度は低いままであることが残念でなりません。文学を愛する一人の人間として、ブランショこそが今必要なのだと言いたい。