岩崎武雄責任編集、中央公論社、諸岩42年3月、618p 図版、18cm
初版 函 帯 両ビニールカバー付(函と本体に) 函両面少点シミ 函ヤケ無し 帯背色アセ 帯両面」ヤケ無し 本体天と小口少点シミ 本体三方ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し <月報>付の保存状態良好です。
一冊の本にこれ程時間を費やしたのは初めてで、ヘーゲルは別格のレベルにある。様々なジャンルを読みますが、自分で自分を再構築するのに大いに助けられています。ヘーゲルを超える著作が書ける手ごたえを日々感じ、わくわくしてます。
「人倫は国家を超える概念であり、国家を最上位に考えることが混乱の源泉」と読み解いています。
人倫とは「人を殺すな」が中心概念です。ところが「国家」は様々な理由や論理を言い訳として殺人を合法化してきた。「国家」という概念は極めて恣意的であり、人類の精神構造の低次元性の一形式です。
ヘーゲルは「法の哲学」においても、他の哲学者の様に具体的な法律を明記していません。多くの哲学者の法律論が持つ局在性を慎重に避けています。
「人倫」を大前提にした「国家」の姿を提案している哲学者や社会学者は私は未だ知りません。ここに、今我々が成すべき領域がある・・・・・ヘーゲルはこのことを時代の制限の中においても明快に自覚していると思います。スケールの大きな哲学者であり、200年以上前の思考が、現在、その生命力を全く衰えることなく生き続けていると私は感じます。