池波正太郎 他著、中央公論社、322p、16cm
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池波正太郎の小説『真説・豊臣秀吉』は、従来の英雄譚とは一線を画し、人間臭く、時に狡猾でさえある豊臣秀吉の生涯を、独自の視点で描き出した歴史小説です。貧しい出自から天下人へと駆け上がっていく秀吉の、並外れた才覚と野心、そして人間的な弱さや孤独までも、現実的に生き生きと描いています。
信長との出会いから本能寺の変、天下統一、そして晩年の失策まで、歴史的な出来事を軸にしながらも、秀吉を取り巻く市井の人々や、彼を支え、あるいは敵対する武将たちの人間模様を細やかに描いている点が魅力です。特に、秀吉の打算高さや、成り上がり者としての劣等感、晩年の孤独などが、深みのある筆致で表現されています。
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