高山陽子・山口睦 編、風響社、2023、320p、A5判
「模範」として導入した産業や文化は内では「規範」となり、その垂直的な圧力は時に個や国家の暴発も生みながら、適応・融合に至る。
目次
はじめに(高山陽子)
序論 規範と模範から見るアジア(高山陽子)
第一部 規範と模範の溢れる近代──中国における英雄顕彰制度の事例から(高山陽子)
第二章 モンゴル人女性の再生産における意識変化と母性規範の変遷──子だくさんの名誉母叙勲者女性の事例から(オドントヤ)
第三章 カザフスタンに〝いきる〟労働英雄──一地域における〝模範的人物〟の通時的経験より(中村知子)
第二部 規範と模範の積極的な受容と流用
第四章 規範から生み出される模範──中国朝鮮族の「孝」文化を事例に(李 華)
第五章 結婚移住女性たちをめぐる規範と模範──韓国の結婚移住女性たちの社会参画と表彰文化(李善姫)
第六章 中国における模範的人物の活用──広東省高州における英雄冼夫人を事例として(稲澤 努)
第三部 規範と模範からの逸脱と多元化
第七章 贈答規範の生成と転換──日本社会のバレンタインデーを事例として(山口 睦)
第八章 移民が生み出す新たな規範──中国福建省における顕示的消費の事例から(兼城糸絵)
第九章 母国からの「親友」を歓待する──中国人の訪日観光における歓待規範(孫 潔)
第十章 規範なき模範──「町中華」に見る日本的中華料理店の展開(川口幸大)
あとがき(李善姫)
索引