杉山平一、第一藝文社、1943 ( 昭和18年 )
初版・カバー・横光利一宛毛筆署名入 毛筆の楷書で書かれた署名。よく知られている杉山平一の筆跡は「杉」の字の旁が右下がりの特徴的なものだが、 戦前の書簡などでは、本書のように「杉」の字の旁が左下がりの書き方をしているものがある。 また当商品には付属しないが、本書の送り封筒でも左下がりの書き方をしている。横光利一宛の献呈本については、『定本横光利一全集』第三巻月報に杉山自身の回想がある。 [「横光利一の記憶」 一度、私は横光利一氏にお会いしたことがある。/横光利一、 その名前ほど、そのころ文學に關心ある若者にとって輝やかしいものはなかった。/話の内容を、きくどころでなく、ひたすら恐縮してしまっていた。 勿論、私の名前などおぼえておられなかった筈である。/まもなく、 私は関西に帰り、工場に勤めたが、昭和十八年に、 詩集「夜學生」というのを作ったので、その一冊を横光利一氏にお供えするような気持でお送りした。/その横光利一氏から、思いがけなく手紙を貰ったのだから、私は、文字通り飛び上った。きみの詩集を机の上に置いておくと、何故か妻がもって行って讀むらしいという文面の終りに、 「菜の花の莖めでたけれ 夜學生」という俳句まで添えてあった。 その手紙を、私は何度拜誦したかもわからない。 そして、ただひとり胸にしまいつづけていた。そのうれしさを傳えようにも、仲間も友人も、つぎつぎ戦場へ出て行く大戦争の眞最中になっていた。] なお、本書冒頭に収められている詩は『機械』である。 少ヤケ カバ少キズ 良好 A5判 第一詩集 900部(杉山平一全詩集より) 書影の二枚目以降は当店サイトからご確認いただけます→ https://www.shoshitakou.com/items/74057065
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