岸本美緒、研文出版、2021年11月、354p、46判
研文選書 132
専門家ではない読者を想定して書いた、中国明清史をテーマとした文章を収録した論集。4は、戦前〜戦後初期の中国史研究に関わる比較的長文の動向論文のほか、書評なども掲載する。
目次:
はしがき
Ⅰ 中国社会論の系譜
伝統中国の経済秩序をどのようにモデル化するか―村松祐次の中国経済論を中心に
中国中間団体論の系譜
Ⅱ 現代歴史学との対話
比較国制史研究と中国社会像
グローバル・ヒストリー論と「カリフォルニア学派」
東アジア史の「パラダイム転換」をめぐって
中国史研究におけるアクチュアリティとリアリティ
二宮史学における文体と比喩
近代東アジアの歴史叙述における「正史」
Ⅲ 明清史研究の現在
書評 余英時(森紀子訳)『中国近世の宗教倫理と商人精神』
書評 エシェリック&ランキン編『中国の地方エリートと支配の諸形態』
書評 濱島敦俊『総管信仰―近世江南農村社会と民間信仰』
書評 岩井茂樹『中国近世財政史の研究』
書評 山本英史『清代中国の地域支配』
書評 谷井陽子『八旗制度の研究』・杉山清彦『大清帝国の形成と八旗制』