井筒 俊彦【著】、中央公論社、1991年11月、478p、22cm
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著者は仏教やイスラーム哲学などの東洋哲学の研究で有名であるが、西洋神秘主義の研究が発展して東洋哲学に移行したことはあまり知られていない。そして晩年にいたっても西洋神秘主義への関心は衰えておらず著作も検討されていたという。
さて本作は井筒氏の初期の研究の集大成ともいうべき作品である。ソクラテス以後・以前を境に第一部・第二部と区分してギリシア神秘哲学の発展を追っている。とくに第二部ではプラトン、アリストテレス、プロティノスの神秘哲学が解説されており、3者の哲学に親しんだ方でも新しい発見があるのではないかと思う。
ところで井筒氏が存命であったならギリシア神秘哲学からキリスト教神秘主義への移行をテーマにした著作が書かれたと思われるが(本作の序文でもその点について言及している)、表れることなく生涯を閉じられ残念である。