Wilhelm Wundt (ヴィルヘルム・ヴント)、Alfred Kröner Verlag (L・・・
ドイツ語。初版、表紙に破れあり蔵書印あり。経年のシミ、ヤケ、ヨゴレあり。折れ跡あるページあり。本文に書き込みなし。
「近代心理学の父」と称されるドイツの偉大な哲学者・心理学者、ヴィルヘルム・ヴント(Wilhelm Wundt, 1832–1920)が1913年に刊行した、思想史・学術史上きわめて貴重な著作です。
1879年に世界初の心理学実験室を創設し、科学的心理学を確立したヴントですが、晩年は実験室の枠を超え、言語・神話・社会習俗などを紐解く「民族心理学(Völkerpsychologie)」の構築に傾倒しました。
本書は、第一次世界大戦前夜の緊迫した時代背景(1913年)のなか、進化論的キーワードである「Kampf ums Dasein(生存競争)」を冠し、人間の精神や心理が歴史や社会のダイナミズムの中でいかに機能しているかをマクロな視点から考察した、彼の思想的成熟期を象徴する一冊です。
中央には学術・哲学書の名門であるアルフレート・クレーナー出版社(Alfred Kröner Verlag)の当時のロゴ(AKのモノグラム)が配されており、当時の装丁の美しさを今に伝えています。心理学史、ヨーロッパ思想史の稀少な資料としてはもちろん、110年以上の歳月を経たアンティーク・オブジェとしても圧倒的な存在感を放つ一品です。