神戸市教育委員会編、神戸市教育委員会、1983、20p、26cm
序
六甲連山の南側は、瀬戸内海に面し気候が温暖で、 海の幸 山の幸
にめぐまれた土地であったと考えられます。 その証しとして、数多
くの遺跡が存在しています。
しかし、 早くから市街化されたこの地域の埋蔵文化財は、 私たち
の目に触れることがありませんでした。 そのため、市街地の再開発
に伴う調査で、新しい遺跡の発見が相続いでいます。 ここに報告す
る松野遺跡もその一つです。
松野遺跡からは、古墳時代の柵列群と掘立柱建物址群とが検出さ
れ、全国的にも発見例が少ない遺構で貴重な発見といえます。本市
の歴史はもとより他地域の古墳時代の社会の歴史を解明するうえで.
も重要な資料になるものと思われます。
発掘調査後、一部は建設のために消滅しましたが、大半の建物址
群は、埋め戻され地下に保存されております。 遺跡は発掘調査地区
外に広がっており、この遺跡の性格、 規模等を明確にしていくよう
努力いたしますので皆様の御理解と御協力を賜わりますようお願い
します。
本書の刊行が、 地域の歴史を理解するうえでお役に立てば幸いで
す。 調査及び本書の刊行に御協力頂きました関係各位に厚く感謝い
たします。
昭和58年3月31日
神戸市教育委員会
教育長 山本 治郎
状態;薄ヤケ
グラシン紙包装にてお届け致します。