「レオ・ローリングズ 著　永瀬隆 訳」の検索結果

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著：レオ・ローリングズ ; 訳：永瀬 隆、社会思想社　現代教養文庫、昭和 59年(1984年) 初版･･･

『クワイ河捕虜収容所』を推す　伊藤桂一氏　「泰緬鉄道の記録については、日本軍側、連合軍側ともに、それぞれの立場で書かれたものが、いくらも出されてきたが、なかでも本書は、現状描写の正確さ、人間凝視の鋭さ、加うるに自筆のスケッチを添えて、従来に類をみないすぐれた内容のものである。もちろん、日本軍に対する批判と抗議に満ちてはいるが、当時からかなりの年月を経ての執筆なので、その思想にも、人間全体への憐愍に通じる深みも生まれていて、読後に、きびしい不快感を与える、というようなものではない。一つには、当時、軍通訳として、捕虜にあたたかな眼を向けてきた永瀬氏の、 思いのこもった訳述の効果もあるだろう。いずれにしろ、酷薄非情な戦争とい うものを、原点にもどって考え直してみる資料として貴重である。多くの方に 読まれてほしい。一言をもっていえば、この書は、敵味方、などという区分は超えての、人間そのものへのいいようもない悲しみ ― をうたっているものである。