京都府教育庁指導部文化財保護課,京都府教育委員会、松香堂、1972、215枚 : 地図、; 30×4・・・
序
最近の急速な開発によって、自然や歴史的風土が急激に変ぼうし、史跡名勝・天然記念物
および埋蔵文化財保護のうえにも大きな影響をもたらしております。
埋蔵文化財は,文字のない時代や文献資料に乏しい地域の文化を解明するための唯一
の歴史的資料であります。それは他の文化財とあいまって、わが国の歴史・文化を正しく理解
するため欠くことのできない文化遺産であり、貴重な国民的財産であります。 先人の努力によ
って今日まで伝えられてきたこの文化遺産は,いまや私たちをとりまく自然や歴史的風土に同
化し,ふかく溶けこんで、私たちの暮らしを包み,その活用をまっております。われわれはい
ま、近代化という美名のもとにすすめられた開発のひずみを日ごとに味わされていますが,私
たちの暮らしをより豊かにするうえで,このような文化遺産はかけがえのない価値を有するも
ので、地域のみなさんとともに守らなければなりません。
この『京都府遺跡地図』は,京都府下の史跡・名勝・天然記念物および埋蔵文化財の所在地
を明らかにし,その周知徹底をはかるとともに, 今後における保護と活用をすすめるための基
礎資料として公刊するものであります。
京都府下の遺跡分布状況については, さきに京都府教育委員会が 『京都府遺跡目録』 (昭和37
年)を発行し,また文化財保護委員会 (現文化庁) は 『全国遺跡地図 (京都府)』(昭和41年)
を発行して、その状況を明らかにしましたが,その後も多くの方々の協力を得て遺跡分布調査
を続けた結果,一応その成果をまとめる段階にいたりましたので,このたび改めて 『京都府遺
跡地図』として公刊することにしたものであります。 もとより埋蔵文化財は土中に埋もれてい
ます。このため地表観察による遺跡の確認には限界があり、また遺跡の正確な範囲を確定する
ことも困難でありますので,今後,新たに発見したものは遺跡台帳に記録するとともに, 機会
を得て改訂を加えたいと考えています。 したがって,この遺跡地図に記載されたものが京都府
下の遺跡のすべてではありません。 今後新しく遺跡が発見された場合には,その保存について
もご留意くださるようお願いします。
他
状態:少スレ 少薄ヤケ