「企画展　瀬戸の染付磁器」の検索結果

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ごあいさつ
瀬戸における染付磁器の創始は、江戸時代後
期になってからのことといわれています。
この頃の瀬戸は、有田の染付磁器の進出によ
って、その販路がせばめられ、 慢性の生産過剰
にあえいでいました。 そうした中で、ようやく
瀬戸においても染付磁器焼造の機運がたかまり、
数々の実験・研究が重ねられました。 これらの
成果に加えて、 加藤民吉が肥前から伝えたといわ
れる製磁技法により、 肥前磁器に匹敵する瀬戸
染付磁器が完成されていきます。 その初期には、
中国写しの染付磁器が主流でしたが、幕末から
明治にかけては、それぞれの窯屋が、 特徴ある
絵付と素地により、 優れた作品を競って作って
います。 こうして、 近代社会の中で瀬戸染付磁
器が大きくはばたく礎が確立されるわけです。
当館では、瀬戸窯業の発展史をテーマとした
企画展を隔年ごとに実施していますが、 今回は、
このような発達の経緯をたどった瀬戸染付磁器
の歴史を、各時期ごとの代表作品をとおして紹
介しようと企画してみました。瀬戸能付の優れ
た技術と美しさを御鑑賞いただければ幸いです。
本展開催にあたり、 貴重な資料を御出品下さ
った御所蔵者各位ならびに御協力を賜わった方
々に厚くお礼申し上げます。
昭和59 年 7 月
愛知県陶磁資料館長

愛知県陶磁資料館内マップ付その他
状態：良好