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住井すゑ 著、新潮社、276p、文庫サイズ（厚さ3cm以内）

住井すゑ 著、新潮社、1997.7、276p、15cm

26刷 カバー　解説　灰谷健次郎　※1958年講談社刊、1974年理論社刊

住井すゑ 著、新潮社、276p、15cm

送料込、書込ナシ、線引ナシ、カバー
住井すゑの「向い風」は、1961年に発表された長編小説で、厳しい社会の中で生きる人々の姿を描いた作品です。舞台は、作者自身の故郷である奈良県吉野地方の被差別部落。主人公の女性・島村春を中心に、貧困、差別、そしてその中で懸命に生きる人々の連帯や葛藤を、力強い筆致で描き出しています。

春は、理不尽な差別に翻弄されながらも、持ち前の明るさと芯の強さで困難に立ち向かいます。部落の人々の生活や感情、祭りの賑わいなどが、方言を交えながら生き生きと描写され、読者はその息遣いを肌で感じることができます。

単に悲惨な状況を描くだけでなく、人間としての尊厳を守り、未来を切り開こうとする人々のたくましさ、そして、差別の根源にある社会構造への鋭い批判が込められています。住井すゑ自身の体験に基づいた、重みのあるメッセージが読者の心に深く突き刺さる作品です。部落問題文学の重要な作品の一つとして、長く読み継がれています。