奈良国立文化財研究所 [編]、大和郡山市教育委員会、1990.8、280p、30cm
序文
平城京は, 奈良時代において政治経済の中心をなすわが国最初の
都市遺跡であります。 朱雀大路を軸に左右対称的に展開し, 整然と
区画された空間は, 古代の調和美の象徴でもありました。 しかし現
在では, 水田の下にすっかり埋もれてしまい, 往時を偲ぶことはで
きません。 とはいえ, 近年の発掘調査に伴う考古資料の増加によっ
ていにしえの平城京の姿がよみがえりつつあるのは,まことに喜ば
しいことであります。 平城京は, わが大和郡山市にも及び,中には
羅城門や西市などの重要な遺跡が存在しております。 今日、市内で
の調査成果の進展には著しいものがあり、 京の南辺部の様子がすこ
しずつ判明してきたのは誠に意義深いことであります。
こうした状況に呼応すべく, 大和郡山市が計画した清掃センター
周辺整備事業に伴い右京八条一坊十三坪・十四坪の調査を大規模に
実施して頂きました。 調査が無事終了し,多大の成果を納めました
のも奈良国立文化財研究所のご協力によるものです。 また, 調査研
究活動に多忙の中、本書の作成にもご尽力頂きました。
最後になりましたが, 終始ご指導頂いた奈良国立文化財研究所に
深く感謝の意を表すると共に, 本書が広く活用され, 埋蔵文化財に
対する理解を深めて頂く機会になることを切に願う次第であります。
平成2年8月31日
大和郡山市教育委員会
※別紙 古代通信No.1 原田遺跡とその時代 付
折込カバー(背少ヤケ) 本文良好です。