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大谷光瑞著、日本文学社、5,116p、19cm

目次
一 國體の尊厳
二 國土國風 の美
三 北虜
四 快男兒
五 感奮
六 樺太視察
七滿洲の情況
日露交涉
九 露國の國是
10 日露戰爭

緒言
1、日露戦争は千古未曾有の大戦争なり、この大戦争に於
て日本は振古未聞の大勝利を博したり。されど勝って
兜の緒を締めよとは古人の読むるところ、今や干戈既に
收まり兩國握手して相談笑すと雖治にあってを忘れ
ざるの注意又無かるべからざるなり。これ本書編述の
一動機なり。
一、この大戦争に於て東洋の一強國は世界の大強國とな
れり。 國成揚り國光輝くと同時に國民の責務又一層重
を加へたり今後國民はいかに心得べきか之を敷へん
とするは本書なり、これ本書編述の第二動機なり
例言
一本書より幼童に示さんとするに過ぎず、故にその材料
簡に、その文章平易なり以つて尋常小學校卒業生に授く
べし。 し夫れ高等小學校卒業生に對しては、別に大國
民讀本の著あり以て戦後國民の心得を悟らしむべし。
一巻首の平和の詔勅及御製は夙夜誦讀して聖意存する
ところを仰ぐべく、巻末の「大國民の箴」は折々唱讀して深
く自ら警しむべし。
一本書編述に關して、豊原太郎君を煩したること多し。
茲に記して謝意を表す
明治三十八年十二月大山元帥の凱旋を配ひつ
著者しるす
和装本