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天和頃写、天和、一二六×一三〇㎝

彩色筆写　裏打　紙面汚　丹後宮津城は天正八年八月、細川幽斎・忠興が入国して直ちに築城に着手し、京極高広の時、寛永十三年には完成したと伝える。本図は堂々とした立派な城下図で、家中屋敷を桃色、長屋を水色、町を薄緑色、寺を朱色、社地を白色、海・川・堀を藍色、土手を濃い緑、道路を黄色で示す。場内は本丸・二の丸・侍屋敷・勘定所・小役人長屋・鷹部屋・各門の名前を入れ、城下町は侍屋敷・小役人長屋・足軽長屋・作事小屋・下屋敷・米蔵・煙硝蔵・瓦窯・的場などが書き込まれている。本図には「犬の堂」があり、これは延宝六年時の城主永井尚長が犬の表彰碑を建てたものであることから、この図は天和頃に作成されたものと思われる。本図のような城下図は藩の機密文書であり、藩政府など公的機関に保管され、民間に私することはないものである。また作図の精密さなど、藩の絵図役人の手になるものであろう。惜しむらくは、絵図に汚れがあり、若干の傷みがあることである。