「女性時代　第14年第12号　昭和18年12月」の検索結果

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表紙・恩地孝四郎　英霊のすがた（河井醉茗）安中行記・中（山宮允）滴水日記（相馬黒光）、女性時代社、1･･･

菊判　「戦時下、二年目の昭和十八年も愈よ暮に迫つたが、緊張に次ぐに緊張を以てし、わが『女性時代』も恙く（つつがなく）満十四ヶ年と二ヶ月を経過し，?に通計百七十冊目を世に送ることが出来た。その間、われわれが誠心誠意微力を尽してきたことは、社友諸君も周知の通りで今更贅言を費すまでもないが、兎に角十四五年間に亙り、一回も休まずに月刊をつづけて雑誌としての氏名を完ふしてきたことは認められてもよい。それも充分なる用意があつての仕事ではなく、事務員一人置いて居るわけでもなく、助手があるでもなく、実に久惠と二人で協力して専念此事に當つてきた。時には自分の仕事をも抛つても（なげうっても）、『女性時代』の為に力を注いだ。素より精神的に何等かの反響を與へ、効果を揚げさへすればよろしいと思ひ、物質上の不足は補ひ補ひしてきた。此の如きさゝやかなる一団体でも世に類がないので、女流本位の文藝奉仕に寄與する處が少しでもあればと念ずる外はなかつたのである。今後も同じ方針の下に此集団は存続されてゆくだらうが、機関誌の方は何号まで縮小され、変更されてゆくかは目下の形勢では遽に予断がゆるされない。併し、大勢に応じて善処してゆく覚悟はまづ決定して居るから社友諸君も安んじて眞實文藝の愛護に参加されたい。」（醉茗）