¥3,500
宮本昭正 編
、南江堂
、1991-12
、296p
序
●宮本昭正
医学の進歩は日進月歩である。 ここ20年間を振り返ってみても
喘息の発症機序に関する知見は目覚ましい進展を見せている。 発症
に関与するとされている化学伝達物質もヒスタミンからプロスタグ
ランジン, トロンボキサン, ECF, NCF, PAF, ロイコトリエ
ン, さらにはmajor basic protein, lipoxin と新しいものがつぎつ
ぎに発見され, それぞれが発症に重要な役割を演じていることが明
らかにされてきた。
治療についても同様であり, 新しい薬剤がつぎからつぎに開発さ
れ, 臨床の場で使用されている.
喘息に関する知見は増し,また喘息に対する有効な治療薬も増え
てきた. しかし喘息の発症率は増加している。 その理由は必ずしも
明らかではないが, しかしこれは世界的な傾向である。それに伴い
喘息に関する研究発表は加速的に増してきた. しかし, 喘息を完治
させるにはまだまだ長い道程がありそうである.
本書は今日までの最新の知見を網羅し,読者の日常診療に役立て
ようという意図のもとに企画されたものである。 気管支喘息は成
人, 小児によってアプローチの仕方, 薬物療法, 患者教育, 予後が
やや異なるため, おのおのの立場から述べてもらうことにした。 そ
のため,それぞれの項目の第一人者に執筆をお願いしたが,ご多忙
中にもかかわらず快くご承諾をいただきこのたび完成をみるに至っ
た。 執筆者の方々に厚くお礼を申し上げるとともに読者の方々のご
期待に十分副いうると確信している.
カバー(少角イタミ)本文非常に良い