1979、24x25cm
ごあいさつ
19世紀後半に, 彫刻の世界は, ロダンの出現により近代への扉が開かれた
といえますが、同じ頃にあらわれたドーミエ, ドガ,ルノアール ゴーギ
ャン等の画家達は, 絵画的表現だけに飽きたらず, 彫刻的表現にも彼等の
才能を発揮させようと試みました。 このような興味は,マティス,ドラン,
レジェ, ピカソ, ブラックによっても試みられ, 近代から現代へかけての
彫刻芸術にも多大の影響を与えました。 ここにこのような巨匠画家の彫刻
を一堂に集めて, 展覧することになりましたが, その自由な面白さを御鑑
賞下さるとともに,その意義について知っていただければ幸いです。
この展覧会の開催にご協力賜わったジョゼフ・H・ハーシュホーン氏、ハ
ーシュホーン美術館館長エイブラム・ラーナー氏, ロダン美術館元館長セ
シルゴールドシャイダー夫人, ならびに貴重な作品をご出品いただいた
ニューヨーク近代美術館をはじめ, 内外の美術館, 画廊, その他の関係の
皆さま方に深甚の敬意を払うものであります。
1979年5月
国立国際美術館館長
薄ヤケ