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鈴木重雄 著、閑山房、平成22年、511p、21cm

カバー（少ヤケスレくすみ）
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本書復刻にあたり
本書を編くと、ドイツのギリシア古典文献学の顧学W・F・オットーと、ゲーテとニーチェの水脈を承け継いだ
哲学者にして詩人、L・クラーゲスの著作群を想起させる。しかしなんといってもニーチェの処女作にして大傑作
『悲劇の誕生』の世界観に最も親近性を感ぜざるを得ない。古代ギリシア悲劇の女性の合唱隊（コロス）の考察に始まり、ディオニュソス（幽の世界）とアポローン（顕の世界）の壮大な世界観が描出される。
本書には、著者鈴木重雄氏の経歴は一切記載されていない。しかし、荷田春満、賀茂真渕、本居宣長、平田篤開に連なる国学本流に連なることを知り得た。
著者本人の経歴と所在、そしてご親族の所在を調査追跡したが、残念ながら不可能と悟り本書の復刻に踏み切った次第である。著者ご自身、またはご親族が本書の発行を見たならば、ご一報頂ければ幸いである。
本書は当然ながら、旧字、旧仮名で出版されたが、復刻版は新字、新仮名に改めた。広い世代に購読を振う一念にて採った処置であることもご理解頂きたい。但し、記紀等の引用資料については、日本語の美しさを損なうため、振り仮名も含め原本通りとした。
最後に、本書の復刻にご快諾頂いた理想社代表宮本氏のご好意に感謝申し上げる次第である。
尚、先に挙げた、W・F・オットーとL・クラーゲスの我が国にて翻訳出版された本書に関係すると思われる図書と、未翻訳の図書を参考までに記しておく。（以下略）