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第七回国際形象展にあたって
国際形象展はことし第七回を数える。 安易な抽象様式を排し,絵
画本然の姿である形象を追求するとともに、世界的視野における日
本人独創の絵画の場を形成するというわれわれの主唱は、この七年
の間に、もはや多言を要せぬまでに各界に参透し、回を追って多大
の期待と注目を寄せられる美術展に発展しつつある。 国内はもとよ
り海外の同志も,形象展の意義を痛感して努力作をここに結集する
ことが、この成果をまねくゆえんであり、同時にこの間, 内外の若
き俊秀がめざましい躍進をみせている。 まことに喜ばしい限りであ
る。
さりながら,この1968年は形象展にとっての人員構成面で淋しさ
を味わった年である。 すなわち創立以来の同人一名と, 海外より毎
回積極的に参加していた二名の老匠を失ったことで, 痛惜に堪えな
い次第である。 しかし、 常にいうごとく、形象追求の道はあくまで
厳しく、絵画永遠の課題である。われわれは同志の死の悲しみを乗
りこえて、前進しなければならない。
小成に甘んずることなく, われわれはここに心を新たにして。 ま
すます国際的連携を密にするとともに、互いに民族性, 風土性を尊
重しつつ, 形象絵画の創造発展に努力を重ねるものである。
1968年10月
表紙少ヤケ