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柴田錬三郎、1篇

ペン書　４００字詰自家用箋４５枚完　１枚目に少ヤケ、小イタミ有　雑誌『小説公園』１９５５年９月号に掲載。その後、単行本等に掲載されたかは不明。＊精神科医の矢部のもとに、岸子が訪ねてくる。岸子の夫は梅毒にかかり精神的な障害を負っていた。矢部は彼女が全く衰えず、美貌を保っていることに驚く。２０年前、岸子は矢部の恋人だったが、矢部の友人だった谷村に乗り換え、結婚してしまった。谷村は外交官として岸子と共にイタリアにいたが、半年ほど前に梅毒にかかって帰国し、症状が進むのを放置したらしい。岸子は入院している夫をなおざりにし、研修医の永井を誘惑する。矢部は岸子に血液検査を受けさせ、彼女も梅毒にかかっていることを指摘。岸子は治療を拒絶し、嘘とも真実ともつかない告白をする。