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ヤケ

備考： コンディション：C: やや傷み、キズ、スレ、汚れあり。まずまずの状態。 ヤケ、シミあり。 サイズ: 260mm　　　　洲本市文化財報告第2集。

本文目次
第1章 発掘調査の経緯
第1節 調査にいたる経緯・
第2節 調査の経過と調査組織・・
第2章 遺跡の立地と歴史的環境
第1節 遺跡の立地と環境・・・
第2節 周辺の遺跡と歴史的環境・・
第3章 発掘調査の成果
第1節 調査区の設定・・
第2節 A~D地区の調査・・・・・
第3節 E地区の調査··
第4章 まとめ
第1節 住居跡の構成と二ツ石戎ノ前集落
第2節 赤色顔料関連資料について・・・・
第3節 まとめと展望・・
付章 二ツ石戎ノ前遺跡出土の赤色顔料とその関連遺物
状態：非常に良

武山遺跡の発掘調査の結果は、 縄文時代、弥生時代の遺物遺構において予想外の成果
をみた。 宅造地の一区画の狭小な発掘面積ではあったが淡路の縄文時代遺跡の発掘調査
ははじめてのことであったし弥生時代の農耕文化がすでに初期において伝播していたこ
との確認が得られたことなど偶然な当遺跡の発見が重要な内容を包蔵していたのである。
武山遺跡を発掘調査するにあたって、 洲本市教育委員会と、淡路考古学研究会とが協議
を重ねで準備がなされた。年度途上の緊急調査のため調査費用が心配されたが、洲本市で
は遺跡の重要性を理解し、 6月補正予算に何とか着手できる経費を組まれた。 さらに幸いな
ことに田辺昭三氏 (奈良大学助教授) に、極めてご多忙にもかかわらず、調査担当を受け
ていただけたことで、 調査が実施できたのである。
また立命館大学考古学研究会や多くの大学生、地元の洲本高校社会班、中学生有志の参
加協力があって、 発掘現場が活況を呈したことは心強いものであった。
連日猛暑のなかの発掘作業に、 丹羽佑一氏 (京都大学大学院学生) の献身的な指導が今
も目に浮かんでくる。
発掘の労苦も大変ではあったが、土地所有者の快い承諾、 附近住民の協力などがあって、
不快な問題もおこらず、まことに調査は順調に運んだ。 近所の小学生も一輪車で土運びを
手伝ってくれた姿も忘れられない。 また調査団の宿所、 ユースホステル千福寺の住職 山
階宏泰氏にも非常にお世話になった。
市民の発掘調査の関心は高く、個人はもちろん、種々な団体の見学もあって、調査団は
これに応じて武山遺跡の発掘調査状況を「武山情報」 として、16日間の発掘調査中に第3
号まで作成し配布した。
このように武山遺跡の発掘調査が成功したことは、 市民の協力もさることながら、 洲本
市長佐野豊氏の文化財への関心が高いことにあった。 佐野市長は調査開始の朝早くか
ら現地を訪れて調査団に挨拶され、また調査期間中にも多忙な中を時間をさいて再三見学
に来られた。 教育長木下秀直氏もご同様であります。
洲本市では、祖先のあしあと展の開催、 文化財調査の実施、 文化財 入門講座の主催、 最
近資料庫が建設されて出土資料を整理収蔵するなど、文化財の保護と市民への啓発に努力している。
紙シミ　少ヤケ

開催にあたって
本年7月26日から8月10日にかけて、武山遺跡の発
掘調査を実施しました。 武山遺跡は淡路で初めて発掘調査
された縄文時代の遺跡で、その成果は、淡路の先史時代の
姿を明らかにするうえで大変貴重なものでした。 出土遺物
の整理はいま進められていますが、 一応、 その成果の一部
を展示できるようになりました。 遺物や種々の展示物など
を通して当時の人々の生活にふれることにより、埋蔵文化
財に対する市民のみなさまの理解が、 より深められること
を願ってやみません。
昭和48年 11月
洲本市
洲本市教育委員会
少ヤケ