「田能遺跡　第25回特別展」の検索結果

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24頁、大阪市立博物館で開催(少ヤケ)

能遺跡の発見
遺跡遺物の発見は全く偶然であり,そうした機会から思いがけない大発見ともなる。 現
に発掘調査が進められている田能遺跡はその例であり、今後の調査にも多くの期待がかけ
られている。 欧米の発掘調査に比べるとまことに小規模であるけれども、学界のみならず
社会一般の関心がよせられていることは同慶というべきであろう。この珍重すべき発見
料を活用して学問上の成果をあげるのは学界人の使命であり, 発掘調査のために払われた
各方面の犠牲を無にしてはならない。 当博物館がそうした学究的な立場から尼崎市との
共催でこの出土品の特別展観を開催したのは,この興味ある資料を広く学界人に紹介して、
専門家の所見を求め, 研究成果を豊かにしたい所以である。
しかし研究は学界人の興味のためにあるのではなく, 社会一般がそれに関心を持ち、知
識の進度が高められて初めて文化的意義がある。 博物館の使命は専門的な知識を広く社会
化するところにある。 歴史は暗記する学問では勿論なく、 深く理解し、それを愛すること
によってほんものとなる。 この国土とそこに営みつづけられて来た人々の跡を愛すること
が歴史学の目標であり,それが明日のよりよい社会への推進力とならねばならない。 田能
の遺跡と遺物を直接に見て、それを肌に感じとることは歴史を学ぶ恰好な一つの機会であ
る。この特別展観を一人でも多く活用していたけば、それだけに本展観の目的を果すこ
とともなろう。
大阪市立博物館