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[筆者]箸方森次、発行者　箸方森次、明治40年発行

本品は、明治40年（1907年）に制作された「金刀比羅宮大祭之景図」です。讃岐国（現 香川県琴平町）の金刀比羅宮を題材とし、大祭における参拝・行列・社殿群の様子を鳥瞰図形式で描いた木版多色摺絵図となります。
題箋には「金刀比羅宮大祭之景図」と明記され、左側に「明治四十年三月九日印刷　同月十五日発行」と出版年が確認できます。

色彩は群青と墨を基調とし、要所に朱色を配した簡潔な二色摺を主体とする仕立てで、同時期の華やかな錦絵とは一線を画す、実用的かつ保存性を意識した刊行物です。

保存状態は、紙面全体に経年によるヤケ、シミ、折れ跡、若干の小さな裂け、虫損跡が見られます。周縁部に小欠損があり、裏打ち補修は確認されません。全体像の鑑賞性は良好で、図像や文字は判読可能です。状態等級はB（並品）と判定します。

年代・寸法・状態・付属品

年代：明治40年（1907年）

寸法：約35 × 50cm
技法：木版多色摺（主に群青・墨・朱）

出版：香川県 琴平町の版元（記載あり）

作者：不明（版元名のみ確認可能）

状態：経年ヤケ、シミ、折れ、小裂けあり（状態等級B）

付属品：なし

コレクター向け推奨コメント

金刀比羅宮関連の刷物は観光土産・参詣図として多数制作されましたが、大祭を主題とした明治期の大判刷物は現存数が限られます。本資料は制作年・発行情報が明記されており、地域史・信仰史の研究資料としても価値があります。コレクターはもちろん、金刀比羅信仰史、祭礼文化の視覚資料を収集される方に強く推奨されます。