「社会百面相　<岩波文庫> 上下　(全2巻) <岩波文庫>」の検索結果

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１０刷　 カバー　リクエスト復刊の帯付　 カバーヤケ無し　本体三方ヤケ無し　線引き無し　書き込み無し　保存状態良好です。
「坊ちゃん」や「猫」で笑った人が、明治の小説では二度と笑えないと思っているとしたら、ちょっと待ッタだ。この小説集は含み笑いの連続なので、電車の中で読むには注意を要する。19世紀と20世紀の境目、日清・日露戦間期の弛緩した時代が舞台。政治家、官僚、実業家、貴婦人、女学者、学生など、30以上の各階層の人物を俎上に乗せ徹底的に笑いのめしてくれる。登場人物はいずれも言葉（と表現力）のおとろえた現代から見れば羨ましいようなノウ弁ぶり（作り話だからあたりまえか？）。例えば雑誌記者に向かって貴婦人はいかにもしとやかな話しぶりだったのが、記者が帰るや姉御ふうの口ぎきに豹変。徹花で負け朝っぱらからほろ酔い加減の〇爵夫人の言うには、男の芸者狂いは世間一般、女も負けずに遊ぶのサ、となる。また教科書の採用をめぐっては、文部省、出版社、代議士、学者等が運動（と名のつく秘密相談）に奔走し待合を繁盛させる。運動家の代議士はアイス（高利貸し）に借金する（なんて真っ当な腐敗法！）。あげくは資産家に入り婿する。よって明治の代議士には入り婿が多かった？！現代とちっとも変わらないと思うか、